日本放射光学会誌
Vol.20,No1/Jan.2007

【表紙の説明】 
 高圧合成法は新物質探索の有力な手段だが,単結晶試料を得ることは非常に難しい。しかし,放射光X線を用いることで,圧力下の反応過程をその場観察し,その結果に基づいて遷移金属酸化物の結晶育成を行うことが出来るようになった。図はPrNiO3の研究の様子。SPring−8のBL14B1に設置された高圧発生装置,SMAP2を用いたエネルギー分散の粉末回折で圧力下での生成,融解,結晶化を観察,京都大学化学研究所の高圧合成装置ELEPHANTで単結晶を育成した。それをすりつぶして得た良質の粉末試料を用い,BL02B2の大型デバイシェラーカメラで測定した粉末回折データからマキシマムエントロピー解析で求めた電荷密度分布から,この物質の金属絶縁体転移は,Niイオンの電荷不均化による物であることが分かる。
      
*2007年度会長挨拶
雨宮慶幸(p.1)(1ページ、303k)
* わが国の放射光科学の歩み()—オリジナリティの系譜を探る—
上坪宏道 (p.3)(15ページ、2,163k)
* X 線コヒーレンスを扱うための完全結晶X 線光学
山崎裕史,石川哲也(p.18)(8ページ、687k)
* 低次元構造の観測法—異常分散を利用したX 線散漫散乱の解析
若林裕助(p.26)(7ページ、1,424k)
* 電子イオン多重同時運動量計測法を用いたクラスターの原子間クーロン脱励起の観測
齋藤則生,森下雄一郎,鈴木功,Xiao-Jing Liu,上田潔(p.33)(10ページ、1,917k)
*[ビームライン光学技術シリーズ(10)]
光のコヒーレンスを使う

百生敦(p.43)(9ページ、1,184k)

*放射光ニュース1st Workshop of the Asian-Oceania Forum for Synchrotron
Radiation Research (AOFSRR) の報告
澤  博
*The 5th International Conference on LEEM/PEEM 木下豊彦

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