【特別企画講演・奨励賞受賞講演・企画講演】


■特別企画講演『新しい時代の科学技術立国を支える中型放射光高輝度光源とその利用』

1月12日(日)  13:30-15:30 (A会場)

世界各国では中型高輝度光源が活躍している。このような中、日本学術会議が公募していたマスタープラン2014に、日本において中型高輝度光源の必要性を訴える内容の計画書を学会が纏め応募した。日本における中型高輝度光源計画と、それを用いて展開が期待される研究について、広く学会で議論し新しい放射光科学の芽を発掘する。

1. 「趣旨説明」
  水木純一郎(関西学院大学) 5分
2. 「物性科学分野」
  有馬孝尚(東京大学) 15分
3. 「放射光X線施設におけるソフトマター研究と産業利用」
  金谷利治(京都大学) 15分
  4. 「構造生物学の将来と放射光」
  千田俊哉(KEK) 15分
  5. 「放射光源の高輝度化と地球惑星科学の発展」
 
船守展正(東京大学) 15分
 
6. 「産業における放射光の利用」
  片桐 元(東レリサーチセンター) 15分
  7. 「3GeV東北放射光SLiT-Jの光源性能」
 
濱 広幸(東北大学) 15分
  8. 総合討論
 
25分
 

■学会奨励賞受賞講演

1月12日(日)  16:35-18:05(A会場)
1. 「軟X線分光法による分子系の局所解析とその場観測手法の開発」
  長坂将成(分子研) 30分
  2. 「スピン分解光電子分光を用いたディラック電子系の先駆的研究」
  宮本幸治(HiSOR) 30分
3. 「放射光光電子分光による強相関量子井戸状態の観測」
  吉松公平(東工大) 30分
   

■企画講演

企画講演1 『SACLAのあゆみと将来展望』

1月11日(土)  10:30-12:00 (A会場)
 

SACLAは、 供用開始から約2年がたち、 立ち上げ期から本格利用期へと順調に移行している。  本企画講演では、 2007年より毎年開催してきたXFEL企画講演の締めくくりとして、 これまでのSACLA・SCSSの歩みを振り返るとともに、 超低エミッタンス蓄積リング光源との連携や、 次世代コンパクトXFELの可能性も含めた将来の展望を議論したい。

  司会 登野健介(JASRI)
1. 「はじめに」
  石川哲也(理研 播磨) 10分
2. 「SACLA/SCSSのあゆみ」
  矢橋牧名(理研 播磨) 20分
3. 「XFELと次世代蓄積リング(加速器の立場から)」
  田中均(理研 播磨) 15分
4. 「XFELと次世代蓄積リング(BLの立場から)」
  後藤俊治(JASRI) 15分
  5. 「レーザー加速XFEL光源の可能性」
  細貝知直(阪大) 20分
  6. 総合討論
10分
 

企画講演2 『放射光・光電子分光で解き明かす超伝導』

1月11日(土)  15:30-18:30 (A会場)
 

1986年の銅酸化物高温超伝導体の発見は、光電子分光実験における世界的なエネルギー分解能競争を促し、結果として光電子分光実験技術の著しい進展をもたらした。特に高輝度放射光を利用した光電子分光研究は、銅酸化物のみならず様々なエキゾチック超伝導体の研究においても中心的な役割を果たしている状況にある。本企画講演では、世界第一線で活躍する研究者の方々に最新の研究成果について講演をしていただいて、近年多様な広がりを見せる放射光光電子分光を利用した超伝導研究に対する理解を深めることを目的とする。将来を担う若手研究者や大学院生の方々に対しても、広い視点から研究の現状を把握し、今後の指針を見いだす機会を提供したい。

  司会 前半:藤森伸一(JAEA)、後半:木村昭夫(広島大院理)
1. 「趣旨説明」
  藤森伸一(JAEA)  5分
2. 「銅酸化物超伝導体のARPES−超伝導ギャップ異方性と質量増大関数」
  井野明洋(広大院理) 35分
3. 「銅酸化物超伝導体のHAXPES−O 1sスペクトルの異常な温度振る舞い」
  小林啓介(JAEA/広大放射光セ) 30分

(休憩 15分)

 

4. 「鉄系超伝導体のARPES−元素置換効果と超伝導ギャップ」

  吉田鉄平(京大人環) 35分
  5. 「ルテニウム酸化物超伝導体のARPES−電子格子相互作用と電子間相互作用」
  相浦義弘(産総研) 30分
  6. 「重い電子系超伝導体のARPES−電子状態から見たURu2Si2の隠れた秩序」
  横谷尚睦(岡大院自然) 30分
 

企画講演3 『ソフトマテリアル研究における異常X線小角散乱の最新動向』
Recent Trend of Anomalous Small Angle X-ray Scattering in Soft Material Research

1月11日(土)  16:45-18:45 (B会場)
 

異常X線小角散乱法を用いた構造解析の研究は、散乱長の差が明瞭であり利用できる原子の種類が多い金属やセラミックスの分野で盛んである。しかし、トップアップ運転を利用した第三世代の放射光の安定した光源の特徴を利用して、従来では困難であったソフトマテリアルの構造を、異常X線小角散乱を用いて解析する試みが最近行われるようになってきた。最新の動向を、国内外の第一線で活躍する研究者から紹介してもらう。

1. 「趣旨説明」
  櫻井和朗(北九州市立大学) 10分
2. 「Probing the spatial distribution of counterions by Anomalous Small-Angle X-ray Scattering」
  Theyencheri Narayanan(Group Head , Soft Matter, European Synchrotron Radiation Facility) 50分
3. 「異常小角X 線散乱でみる高分子ミセル内での薬剤の分布」
  秋葉勇(北九州市立大学) 20分
4. 「加硫ゴムのイオウK 吸収端での異常小角X線散乱」
  篠原佑也(東京大学) 20分
  5. 「時間分割異常小角X線散乱測定法の開発によるポリプロピレン結晶化の前駆現象の観測」
  増永啓康(JASRI/SPring-8) 20分
 

企画講演4 『Crystallography in Photon Science』

1月12日(日)  9:00-11:00 (A会場)
 

放射光科学は、構造物性学、構造生物学、地球科学、分析化学など、結晶学をベースとする広大な学術領域の発展に貢献してきた。  
一方で、シリコンに代表される完全結晶は、結晶学によりその素性が明らかにされてきたとともに、分光や偏光制御など放射光X線の性質の操作に積極的に用いられ、放射光科学の発展を担ってきた。  
結晶学の創世から1世紀となる世界結晶年の2014年を迎え、放射光科学と結晶学の協奏的発展についてX線結晶光学を軸に概観する。

  司会 高田昌樹(理化学研究所 播磨)
1. 「趣旨説明:結晶と放射光」
  後藤俊治(高輝度光科学研究センター) 10分
2. 「結晶によるX線回折と分光器」
  玉作賢治(理化学研究所) 25分
3. 「光を集める結晶精密加工:OSAKA-Mirrorのこれから」
  山内和人(大阪大学) 25分
4. 「偏光による磁気結晶学」
  有馬孝尚(東京大学) 30分
  5. 「コヒーレントX線が拓く新しい結晶学」
  高橋幸生(大阪大学) 30分
 

企画講演5 『放射光ビームラインの横断的利用:赤外線と硬X線・軟X線』

1月13日(月)  9:00-12:00 (A会場)
 

放射光施設では、一般に硬X線、軟X線の利用が活発で、物質の構造、電子状態、磁気状態などが調べられている。一方、赤外線分光では結合状態、低エネルギーの電子状態などの情報が得られ、硬・軟X線で得られる情報と相補的である。本企画では、赤外線を含む複数の放射光ビームラインの横断的利用よって実現される多角的な研究を提案する。特に放射光の高輝度特性を活かしたマイクロ・ナノビームの利用は、硬X線から赤外線まで共通する重要な技術で、これを活用した顕微鏡的研究を紹介する。また、赤外分光と他の測定技術との同時利用の方向性も提案したい。

  司会 前半:岡村英一(神戸大学)、後半:木村真一(大阪大学)
1. 「赤外放射光の特徴と今後の方向性」
  池本夕佳(JASRI) 10分
2. 「強相関電子系における赤外分光と光電子分光の相補利用」
  松波雅治(分子科学研究所) 20分
3. 「医薬品非晶質製剤の安定性評価のための粉末構造解析と赤外顕微分光」
  米持悦生(星薬科大学) 25分
4. 「環境・地球化学における放射光赤外分光方の利用可能性」
  高橋嘉夫(広島大学) 25分
 

(休憩 15分)

  5. 「CTおよび赤外顕微分光に基づく骨機能評価」
  松本健志(大阪大学) 30分
  6. 「放射光を利用した頭髪用化粧品の開発」
  伊藤廉(株式会社ミルボン) 25分
  7. 「高分子などソフトマテリアルの階層構造変化追跡のための
    放射光広角小角X線散乱および赤外スペクトル同時測定システム開発」
  田代孝二(豊田工業大学) 30分
   

■各施設利用者懇談会

  PF-ユーザアソシエーション(PF-UA)
1月11日(土) 12:30-13:30 (A会場)
  VSX高輝度光源利用者懇談会
1月11日(土) 18:30-20:00 (A会場)